断捨離の提唱者・やましたひでこさんの著書「捨てる。 引き算する勇気」を読みました。
この本はやましたさんによる初めてのビジネス書で、男女問わず、断捨離の本質を理解できる一冊です。
本書は、断捨離を仕事に生かした「引き算の仕事術」を通して、自己や他者への愛を育んでいくための具体的なエッセンスがまとめられた良書です。
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引き算の仕事術とは?
引き算の仕事術とは、よけいなモノ・コト・ヒトを捨てて、自分に大切なモノ・コト・ヒトを選ぶことで、「できる人」になるための仕事術です。
「できる人」の鉄則について、本書では以下のように説明されています。
人生や仕事に目的を持ち、目標を設定し、最短で成果を出していくためには、よけいなことをしないというのが鉄則です。(捨てる。 引き算する勇気 p.15)
それでは、「できる人」になるためには何が必要なのでしょうか。
以下に、本書を通して印象的だった内容についてご紹介したいと思います。
仕事ができる人は、まず「やらないこと」を決める
いつも仕事が忙しいという人は、自分にとって容量オーバーの仕事をしているケースが多いです。
家庭であれば、部屋の収納にモノが入りきれずにあふれている状況です。
モノは目に見えるけれども、仕事は目に見えない部分も多くあるので、よけいにあふれていることに気づきにくいのです。
本書では、「仕事ができる人は、まず『やらないこと』を決める」と述べられています。
モノは使ってこそ価値があります。仕事も同じです。自分にふさわしい仕事をしてこそ、あなたの価値が生まれるはずです。(同 p.33)
仕事は自分にふさわしい、自分にしかできない仕事をしているかどうか。この点を意識することが大切です。(同 p.64)
それでは、自分にとってふさわしい仕事を選ぶ、つまり「やらないこと」を決めるためにはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
本書では3つの大きなプロセスが紹介されています。
1.職場のモノを断捨離する
仕事を忙しくさせている一つの要因が、オフィスのモノが整理されていないということです。
ですから、まずはオフィスのデスクや棚などの不要なモノを捨て、必要なものを取り出しやすいように整理整頓することが必要です。
例えば、以下のように目的別で取り組みやすいところからやればよいです。
<仕事の効率を重視>
普段よく使う場所からスタートします。デスクの上、引き出しの中、パソコンのデータなど。
<コミュニケーションをスムースにしたい>
通路、階段を物置にしてはなりません。モノ・コト・ヒトの行き来をスムースにするために。
<深層心理に作用させたい>
見えない場所、見られたくない場所です。普段、使わないのに捨てない理由がわかります。デスクの足元、キャビネット、倉庫など。(同 p.82)
また本書には、財布、書類、ノート・メモ、名刺を具体的に断捨離する際のポイントについても紹介されているので参考になります。
2.仕事の時間の見積もりはゆるくする
毎日、スケジュールをきっちり立てているのになぜ忙しさは改善されないのでしょうか?
それは実はスケジュールの余白部分の総量がオーバーしている可能性があります。
例えば、会議と会議の間の1時間のスケジュールの余白があったとき、その余白であなたがやろうとしている些細な業務が本当に1時間以内で終わるのか、という問題です。
もし、できなかったら、その分、別のスケジュールにしわ寄せがきて、結局一日中忙しくなるという現象が起きてしまいます。
忙しい人の多くが、この余白部分のスケジュールで容量オーバーしていることが多いというのです。
ですから、仕事の時間の見積もりはゆるく立てることがおススメなのです。
本書でも、以下のように述べられています。
時間の管理に苦労している状態では、新しい仕事を頼まれたときに、相手に「いつまでにできます」と即答することができません。逆に、「今日はこの仕事があるので、明日の〇時までに提出します」と即答する方が信用は高まります。(同 p.113)
このように、スケジュール管理がうまくできている人は、たとえすぐにできなくても、「いつまでにできます」と見通しを立てることができます。
そのような人は職場でも信頼され、仕事の段取りもうまくこなすことができるようになるのです。
3.情報の取り入れを自在にコントロールする
私たちの身のまわりにはたくさんの情報があふれています。テレビやインターネット、メール、SNSなどの直接的な情報はもちろん、モノに込められたある種の情報も私たちは取り扱っているのです。
本書でも、断捨離の本質は「情報の断捨離」と説明されています。
断捨離は自分の身のまわりにあるモノたちを見つめ、なぜ自分がそれを持っているのか、今の自分の要・適・快であるかを問い直し、整理すると同時に、そのモノに貼り付いた情報に気づき、そしてそれも一緒に整理する技術なのです。そう、断捨離の真のターゲットは情報なのです。(同 p.164-165)
具体的には、以下のような「情報の断捨離」の実践例などが紹介されています。
- 情報の出口(アウトプット、目的)を意識して情報を取り入れる
- 情報を取り入れない日をつくる(例:テレビやインターネットなどの情報に触れない日を実践してみる)
このように、情報をあえて取り入れないことで、情報を取捨選択する力を高めていくことができます。
よけいな情報が入って来なければ、それに振り回されることなく、本当に大切な仕事に集中することができるのです。
自分軸の根底にある「自利」と「利他」に気づく
やましたひでこさんの「捨てる。 引き算する勇気」が目指すものは、自分軸の確立にほかなりません。
そのための引き算の仕事術であるし、モノ・時間・情報の断捨離なのです。
そして、自分軸の根底にあるものが「自利」と「利他」だとやましたさんは語ります。
「完璧ではないけれど、それでも良し」と自分を肯定すると「あれっ、よく考えてみたらほかの人もそうだった」ということに心の底から自然と気がつけるわけです。その気持ちが育てば、他者を肯定するということは、決して難しくはなくなりますよね。(同 p.211)
自分を認め愛することができてこそ(自利)、他者を認め愛することができる(利他)、につながるわけですね。
本書は断捨離という自己探訪メソッドを仕事や人生に落とし込むための解説書とも言えます。
読んでみて実感したのは、とにかくわかりやすく、忙しい仕事の合間でもサクサクと読めるということです。
読めば読むほど、自分の中のよけいな思考が取り除かれ、仕事への集中力も高まっていくのを感じました。
仕事に行き詰まっているビジネスマンにはぜひ一度読んでもらいたい本です。
きっと仕事に対する発想が変わり、痛快な人生へとシフトできるでしょう。
以上、やましたひでこさんの「捨てる。 引き算する勇気」を読んだ感想でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。