「断捨離」の提唱者、やましたひでこさんによる著書「人生を変える断捨離」を読みました。
この本は断捨離初心者にとっても、断捨離の考え方やメカニズム、実践する際のコツなどがわかりやすく解説されています。
この記事では、私が「人生を変える断捨離」を読んでみて、感じたことや学んだことなどをまとめてみましたので参考にしてください。
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「人生を変える断捨離」から学んだ4つのこと
1.断捨離とは、「出す」美学
断捨離は、提唱者のやましたひでこさんが「断行」「捨行」「離行」と呼ばれる「執着」を手放すためのヨガの行法哲学に着想を得たもので、住まいと心の新陳代謝を促す生き方のことです。
2009年、やましたさんの初めての著書「新・片づけ術 断捨離」をきっかけに全国で「断捨離ブーム」が起こり、今や日本全国をはじめ、世界中でも実践されています。
「断捨離」と言うと、最近始まったものかと思っていましたが、本書を通して、その取り組みはずっと以前からやましたさんの生活哲学として実践されていたことがわかります。
そして、やましたさんの生き方そのものが、まさに「断捨離」の歴史とも言えます。
本書では、断捨離の本質を「出す」というシンプルな言葉で表しています。
つまり、断捨離とは「出す」「入れる」というシンプルな行動を通して、誰もが「ごきげんな生き方」を実現していくための一つの美学だというのです。
2.断捨離は自分自身で気づくことが大事
断捨離の入り口はモノを捨てることです。しかし、この捨てるというのが意外と簡単ではありません。特に、家が散らかっている人であればあるほど難しいのです。
なぜなら、「捨てない自分」を正当化するための「言い訳」を先に考えてしまうからです。「私は〇〇〇だから」とか、「これは必要なものだから」というふうにです。
私は、断捨離の本を読んだり、講演会で話を聞いたりすれば、断捨離という行為は誰でも自然に行うものだと考えていました。
いらないものを捨てることは、ごく当たり前のことだと思っていたからです。
しかし、世の中にはそうではない人たちもたくさんいます。
本書の中に、以下のような興味深いエピソードが掲載されています。
・・・・・・取材に応募したのは千恵さん本人なのですが、大変な警戒心。
一方、夫は、だんまりを決め込んでいます。腕組みして座っている様子は、まるで「オレは捨てないからな。なんでも捨てりゃいいってもんじゃない」と言わんばかり。
(中略)片づけ指南は一切していないのに、なぜ千恵さん夫婦が片づけだしたのか? 当初は、私という抵抗勢力の登場で警戒していたのですが、心が徐々にほぐれてきた時、「あ! 自分は言い訳ばかりしている!」と気づいたそうです。
これが、千恵さんのターニングポイントになりました。
(人生を変える断捨離 p.35) ※千恵さんは仮名です。
このエピソードを通して、断捨離とはあくまでも自分自身が気づいて行うものだと学ばされました。
たしかに家族のモノを断捨離しようと思っても、勝手にできるものではありません。自分のモノは自分が、家族のモノは家族が断捨離するというのが自然な流れです。
このように、断捨離は人から言われてやるものでも、ましてや他人に強要するものでもなく、あくまでも私の心の自発性によって行うものなのです。
3.「捨てる」と「棄てる」は違う
「捨てる」というと、あなたはどんな印象(イメージ)がありますか?
私の場合、「捨てる」のはいいことだが、「捨てる」という言葉自体には「なんとなくマイナス的なイメージ」があると感じていました。
古来から、日本人は「もったいない」を美徳として生きてきました。そういう日本人的感覚からすると、「捨てる」という響きそのものにどこか抵抗感を感じてしまうのも、正直なところです。
しかし、本書には「捨てる」と「棄てる」は違う、とはっきり書いてあります。これは目から鱗の内容でした。
「捨てる」について、本書には以下のように書いてあります。
仏教用語に「喜捨(寺社や貧者に金品を寄付すること)」という言葉があるように、「捨」には「ほどこし」の意味があります。つまり、自分の所では活かすことができないので、別の場所で生き返らせる、ということ。(本書 p.46-47)
この文章を読んで、私は「捨てる」という言葉へのイメージがまるっきり変わりました。「捨てる」のはモノを見放すことではなく、かえって生き返らせることにつながるのです。
一方、「棄てる」については以下のように表現されています。
物体としてそのまま、見向きもされず打ち棄てられているイメージ。「不法投棄」は、そのわかりやすい例です。(本書 p.47)
同じ「すてる」という言葉の意味に、このような正反対の2つの意味があったんですね。これを知って、私は「これからはモノを絶対棄てないぞ!」と決心させられました。
4.断捨離とは、ただ「捨てる」こと
「断捨離とは、ただ捨てること」と、本書では語られています。正確に言えば、「健全な住空間を取り戻すためには、最初はどうしても大量に捨てざるを得ない」(本書 p.57)ということです。
本書では、この「捨てる」というプロセスを以下の3つのポイントでまとめています。
- 思考の断捨離(現状を認識する、自己否定をやめる、住まいの明確なビジョンを描く)
- モノの断捨離(モノを出して俯瞰する、「どう見てもゴミ・ガラクタ」を捨てる、自分軸と時間軸・関係性を意識して捨てる、など)
- 収納のガイドライン(3分類の法則、7・5・1の法則、1 out 1 in の法則、など)
本書には、やましたさんの経験にもとづいた具体的な断捨離の実践方法がわかりやすくまとめられています。すぐに実践できるものばかりで、断捨離初心者にとって、すごくありがたいですね。
また、断捨離によって人生が変わったという実際の体験談(エピソード)もたくさん載っているので、「あっ、これなら自分もできるかも!」と、前向きな気持ちにさせてくれます。
さっそく、私もこの本で学んだことを実践していきたいと思っています。心がとてもワクワクしていますね。
本書は断捨離って何だろうと興味がある方や、これから断捨離を始めてみたいという方にはぴったりです。たくさんある断捨離の本の中でも、一番最初に読んでもらいたい一冊ですね。
これを読めば、あなたもきっと、断捨離という希望の入り口への扉が見えてくるはず。
さあ、あなたも一緒に断捨離、始めてみませんか?